(1)事業評価委員会の結果について

名取市商工会 経営発達支援計画に基づく平成27年度事業について
経営発達支援計画の目標に対する実績及び事業評価検討委員会の内容

※各項目毎に黒字部分が計画、赤字部分平成27年度の実績及び事業評価委員会の結果となります。

1.地域の経済動向調査に関すること【指針③】

宮城県中小企業景況調査(宮城県連合会)や国・県等の統計資料などの外部データを活用し、県内の経済動向について調査・分析するとともに、日々の巡回訪問等を通じ地域小規模事業者の景況動向等ヒアリングにより把握する。
また、従来実施していた中小企業景況調査(実施:宮城県商工会連合会)について、調査対象となっている市内15事業所の収集データを独自に分析・整理を行い、地域内業種別景況動向を把握する。
特に、本計画により重点支援を行う既存商店街・仮設商店街の小売業者と、「中小企業等グループ施設等復旧整備補助事業」等を活用し事業復旧を果たした水産加工業等製造業者を対象として、「経営状況等アンケート調査」を新たに実施し、地域の業界動向等を把握する。
収集した情報は、分析・データ化し、経営指導員等がいつでも活用できるようファイルに蓄積させ、小規模事業者の経営計画策定、震災復興計画策定支援など行政への提案においても迅速に活用するとともに、環境変化に対応できる基礎資料とすべく、定期的に本会ホームページによる情報提供する。
具体的な調査方法については下記のとおり。

事業内容

  1. 宮城県の商圏(消費購買動向調査報告書)、みやぎ経済月報(宮城県統計課編)等の統計書を分析することにより、県内全体の大きな趨勢を捉え、数値化による具体的データとして小規模事業者支援に際して効果的に活用、提供する。
  2. 四半期毎に実施している中小企業景況調査(実施:全国商工会連合会)の結果を分析し、県内中小企業の業種毎の景気動向について把握すると共に、調査対象となっている市内15の小規模事業事業者(製造業3・建設業3・小売業4・サービス業5)の調査結果を独自に集計・分析し、地域内の業種別景況動向を整理し、小規模事業者支援に際して効果的に活用、提供する。
  3. 既存商店街・仮設商店街の小売業者等、「中小企業等グループ施設等復旧整備補助事業」等により復旧した事業所に対して、現状の経営状況から震災からの復旧の現状を把握する事を目的に、独自に「経営状況アンケート調査」を実施し、事業所毎の売上の状況等、経営状況の推移データを収集し、分析した具体的データを被災地域の商業再生及びコミュニティの形成などの観点から、個別の小規模事業者支援や行政への提案などに際しても効果的に活用、提供する。
  4. 経営指導員等の巡回・窓口相談、事業計画策定セミナー等各種セミナーの開催を通じて、地域内小規模事業者等の景気動向や顧客のニーズについて収集し、事業計画策定支援の基礎資料として活用、提供する。

目 標

上記(1)(2)(4)による収集した地域経済動向データは商工会ホームページに四半期毎に掲載するとともに、(3)「経営状況等アンケート調査」により収集し分析した結果については商工会ホームページに年1回掲載し、地域小規模事業者に対し情報提供を図る。
収集データ、分析結果は、会員事業所への巡回訪問、窓口相談時に情報提供し、また、小規模事業者に対する経営計画策定等の基礎資料として小規模事業者へ情報提供を図る。

項目 27年度
目標
27年度
実績
28年度 29年度 30年度 31年度
地域内15事業所の業種別景況動向分析回数 4 1 4 4 4 4
地域内事業所数 15 15 15 15 15 15
「経営状況等アンケート調査」の実施回数 1 1 1 1 1 1
アンケート実施事業所数 50 122 50 50 50 50
収集データのホームページによる情報提供数 4 1 4 4 4 4
アンケート調査分析結果等ホームページによる情報提供数 1 1 1 1 1 1

2.経営状況の分析に関すること【指針①】

小規模事業者の持続的発展に向け、経営指導員等の巡回・窓口相談、各種セミナ ーの開催を通じて、小規模事業者の経営分析を行う。
専門的な課題等については、宮城県商工会連合会(サポーティングリーダー)、宮 城県よろず支援拠点、地域金融機関、中小企業支援ポータルサイト「ミラサポ」、中 小企業基盤整備機構のコーディネーター等活用し、小規模事業者が抱える経営課題 解決に向けた伴走型支援の実践を通してサポートする。

事業内容

  1. 巡回訪問、震災復興に伴う支援業務、基幹産業である水産加工業等の勉強会、各種補助金申請、相談業務等の相談業務により分析の対象となる小規模事業者をピックアップし、経営状況等を把握するとともに、専門知識を有する宮城県よろず支援拠点等と連携することで経営分析を行う。以下の項目を主な経営分析に使用。
    項目 詳細 実施内容及び方法
    財務分析 売上高、経常利益、損益分岐点売上高、売上高総利益率、売上高経常利益率、流動比率、自己資本比率等 中小企業基盤整備機構「経営自己診断システム」を活用することで、タイムリーな資料を事業所へ提供する
    SWOT
    分析
    外部・内部環境の強み・弱みから市場環境を分析 宮城県よろず支援拠点、中小企業基盤整備機構コーディネーター、ミラサポ、宮城県商工会連合会等の専門家派遣事業を活用し、経営分析による新たな事業計画策定に取り組む
    PEST
    分析
    政治・経済・社会・技術のマクロの外部環境からの影響度合い等を分析
    3C分析 顧客・競合・自社の三項目より経営環境における現状の経営課題等の分析
  2. 本計画により重点支援の対象とする小売業・水産加工業等製造業に関する商品・サービスの需要動向について、各種補助金申請、相談業務等により収集・分 析し、更に展示販売会やイベントでの消費者に対して、アンケート調査を実施 し、事業者へフィードバックする。
  3. 以上の結果をもとに経営課題を抽出するとともに、伴走型支援の基礎資料とし、 経営計画策定支援へ繋げる。

目 標

項目 27年度
目標
27年度
実績
28年度 29年度 30年度 31年度
巡回訪問件数(延べ) 3,600 3,241 3,700 3,800 3,900 4,000
セミナー開催回数 3 5 3 4 4 4
経営分析件数 10 54 12 15 16 17
内補助金申請活用件数 6 34 6 7 8 8
※経営分析件数については、3年後には経営指導員1名につき3件を目標とし、以降1年毎に1名につき1件増加させる。伴走型支援において実現可能な件数として設定

3.事業計画策定支援に関すること【指針②】

上記1.地域の経済動向調査、2.経営状況の分析等による調査の結果を踏まえ、事業者が経営課題を解決するため事業計画策定支援を行い、宮城県よろず支援拠点、地域金融機関、中小企業基盤整備機構等とも連携し、伴走型の指導・助言を行い、小規模事業者の事業の持続的発展を図る。
特に、本計画により重点支援の対象とする閖上地区の水産加工業や小売業者、中心市街地商店街の増田商店街の小売業者等に対しては、積極的な経営計画策定を促し、経営力向上を踏まえた本格再建を支援する。
また、名取地域における創業者、事業承継等支援するため、宮城県商工会連合会、宮城県よろず支援拠点、地域金融機関、中小企業基盤整備機構等と連携して、創業・事業承継勉強会を開催するとともに、常時相談窓口を開設し創業支援を行う。創業後も継続的に経営計画策定支援により、伴走型の支援を実施する。

事業内容

  1. 事業計画策定等に関するセミナー、個別相談会の開催により、事業計画策定を目指す小規模事業者の掘り起こしを行う。
  2. 金融、補助金申請相談、巡回訪問時に、小規模事業者からの相談等を受けるとともに、事業計画策定を目指す小規模事業者の掘り起こしを行う。
  3. 事業計画策定を目指す小規模事業者のほか、金融相談、『小規模事業者持続化補助金』『中小企業・小規模事業者ものづくり・商業・サービス革新事業』等補助金の申請時に事業計画の策定支援を行う。
  4. 商店街と連携し、中心市街地である増田商店街の空き店舗情報や、再建を目指 す閖上商店街のテナント情報等を本会並びに名取市ホームページにて提供する ことで創業者の掘り起しを行う。
  5. 創業者対象も含め、事業計画策定等に関するセミナーを開催し、創業希望者の知識向上を図り、創業計画の策定支援を行うことで、創業支援を行う。
  6. 宮城県商工会連合会が開催する「創業塾」と連携し、創業希望者に対しビジネスプランの策定等の支援を行う。
  7. 事業承継に関する相談会を開催し、事業承継計画の策定を支援し、事業承継支援を実施する。

目 標

項目 27年度
目標
27年度
実績
28年度 29年度 30年度 31年度
セミナー開催回数 3 5 4 4 4 4
補助金申請に伴う事業計画策定事業者数 30 54 30 30 30 30
ものづくり・商業・サービス革新事業 7 2 7 7 7 7
小規模事業者持続化補助金 22 32 22 22 22 22
宮城県 経営革新計画承認 1 0 1 1 1 1
創業セミナー・説明会開催回数 3 5 4 4 4 4
創業支援者数 8 7 10 10 10 10
創業補助金
(第2創業含む)
3 2 4 4 4 4
事業承継支援者数 1 0 2 3 4 5

4.事業計画策定後の実施支援に関すること【指針②】

事業計画策定後は、定期的に巡回訪問し、計画内容に沿った事業の進捗状況を確認し、事業計画のブラッシュアップなど各事業者の状況に応じたフォローアップ支援を実施する。特に、販路が未だ回復していない水産加工業者や、復興整備の進捗により大きく環境が変わる可能性のある仮設商店街の小売業者等に対しては、課題の明確化と新たな需要を見据えた事業計画に向けたフォローアップ支援を実施する。
新たな課題が生じている場合、または事業進捗が芳しくない小規模事業者に対しては、宮城県よろず支援拠点等と連携し、課題解決に向けた伴走型支援を実施する。
創業者への支援については、資金繰り等の諸問題解決に向けた開業までの支援、更に開業後のフォローアップ支援までの一貫した伴走型支援を実施するともに、専 門家等を活用し、課題解決に向けた支援も行う。

事業内容

  1. 事業計画策定した小規模事業者に対し、2カ月に1度定期的に経営指導員による巡回訪問を行い、進捗状況を確認し、フォローアップ支援を実施する。
  2. 新たな課題が生じ、計画進捗が芳しくない小規模事業者等に対しては、宮城県商工会連合会サポーティングリーダーや宮城県よろず支援拠点と連携し、その要因等を分析し、計画のブラッシュアップ、または見直し、更には新たな需要を見据えた事業計画策定支援を図るなど、課題解決に向けた伴走型支援により 持続的発展を支援する。
  3. 一定の要件を満たした小規模事業者に対し、日本政策金融公庫『小規模事業者経営発達支援融資制度』を活用し、事業計画に基づく迅速な事業実施に向けた資金面の支援を行う。
  4. タイムリーな情報提供を図るため、経済・需要動向等の環境変化に関する情報や国・県等の施策、商工会の支援情報等をダイレクトメールや商工会報、ホームページにより広報する。更に、必要な情報を自ら取得できるよう中小企業支援ポータルサイト「ミラサポ」の活用を促すとともに、登録支援を行う。
  5. ビジネスプランを策定した創業予定者に対し、スムーズな開業に向け、資金繰りや諸手続き等の支援を行う。また、開業後は、定期的な巡回訪問(2ヶ月に1回)により経営状況の把握を行い、専門家によるフォローアップ支援を実施するとともに、先輩経営者との意見交換会等も開催しながら、創業支援に努める。

目 標

項目 27年度
目標
27年度
実績
28年度 29年度 30年度 31年度
巡回によるフォローアップ
支援回数(2ヶ月に1回)
42
(7事業所
×年6回)
31
(事業所数)
45
(延べ回数)
42
(7事業所
×年6回)
48
(8事業所
×年6回)
48
(8事業所
×年6回)
54
(8事業所
×年6回)
創業者等フォローアップ回数 12
(4創業者
×年3回)
9
(事業所数)
16
(延べ回数)
15
(5創業者
×年3回)
15
(4創業者
×年3回)
15
(4創業者
×年3回)
15
(4創業者
×年3回)

5.需要動向調査に関すること【指針③】

上記1.地域経済動向調査(指針3)で記述した、重点支援を計画している小売業、水産加工業等製造業者に対する「経営状況等アンケート調査」により、地域内小規模事業者が提供する商品・役務等の売上推移や消費者嗜好等について調査するとともに、名取市及び地域小規模事業者等と連携し、来店客を対象とした「消費者購買動向アンケート調査」も加えて実施し、事業者側と消費者側のそれぞれ観点から捉えた地域内需要動向について調査する。
また、把握した地域消費者ニーズの分析等は、宮城県よろず支援拠点、中小企業基盤整備機構等の専門家と連携し、新たな販路拡大等事業計画策定の基礎資料として活用するとともに、地域小規模事業者に対しホームページ等を活用して公表する。

事業内容

  1. 本計画で重点支援の対象としている小売業並びに水産加工業等製造業者を対象に実施する「経営状況等アンケート調査」により、提供する商品・役務に対する下記調査項目について調査し、地域内小規模事業者側から捉えた地域内の需要動向を調査する。
    【主な調査項目】
    ①提供する商品・役務内容 ②品揃え ③主要商品・役務の売上推移
    ④販売価格の推移 ④購買年齢層 ⑤買い物頻度 ⑥市場動向
    ⑦消費者嗜好 ⑧売れ筋商品等
  2. 名取市及び地域小規模事業者等と連携し、市内消費者に対して「消費者購買動向アンケート調査」を実施し、地域の需要動向の把握、データ集計を行う。【主な調査項目】
    ①顧客層 ②購入目的 ③購入品目 ④来店頻度 ⑤平均購入価格
    ⑥商品に対する満足度 ⑦商品別の購入先 ⑧店舗選択の理由 等
  3. 上記(1)(2)で記述した事業者用・消費者用アンケートについては、宮城県よろず支援拠点等の専門家を活用しながら集計・分析し、地域内需要動向情報データとして整理し、商工会ホームページ等に掲載(年1回)する。
  4. 上記アンケート調査に加え、宮城県の商圏等の外部データを活用し、名取商圏内における震災の影響による買い物先変化及び地元購買率等の消費者購買動向も分析、整理する。
  5. これらの分析した需要動向に関するデータは、指導員間で共有し、新たな需要 開拓等を目的とした事業計画策定の基礎資料として活用する。

目 標

項目 27年度
目標
27年度
実績
28年度 29年度 30年度 31年度
経営状況等アンケート実施回数 1 1 1 1 1 1
経営状況等アンケート調査総数 50 51 50 50 50 50
消費者購買動向アンケート実施回数 1 1 1 1 1 1
消費者購買動向アンケート総数 500 570 500 500 500 500
分析結果等ホームページによる情報提供数 1 1 1 1 1 1

6.新たな需要の開拓に寄与する事業に関すること【指針④】

重点支援を計画している小売業、水産加工業等製造業者の新たな需要の開拓を支援するため、各団体主催の商談会への参加勧奨、アンテナショップ出品勧奨だけに止まらず、販売機会の拡大を図るため、大型商圏である仙台圏を狙った販売会を開催するとともに、仙台圏のバイヤーとの商談会を開催し、需要開拓を支援する。
また、ITを活用した販路開拓として、全国商工会連合会のECサイト「ニツポンセレクト.Com」出品や地元新聞社による「47CLUB(よんななクラブ)」への出品支援などにより販路開拓と商品の認知度向上を図る。
販売会、商談会参加の小規模事業者に対して、宮城県よろず支援拠点等の専門家と連携したフォローアップ個別相談会を開催し、販売力、商談力向上による更なる販路開拓と認知度向上を図る。

事業内容

  1. 名取地域内大規模集客施設「イオンモール名取店内」及び仙台市「JR仙台駅構内」での販売会を開催し、地域商品の認知度の向上、新規顧客の開拓のための販売場所の新たな創出を図るとともに、出店する事業者に対しては、販売技術や展示技術向上を図る目的に、宮城県よろず支援拠点等の専門家と連携し、事前の個別相談会、更に現場での個別指導会も実施して商品力及び販売力向上を支援する。
  2. 地域産品などを販売する小売事業者や被災した水産加工事業者の震災によって 途絶えた販路の回復・拡大を目的に、仙台市や関東等の大型消費地を対象とした商談会を行う。バイヤーの確保については、宮城県仙台地方振興事務所主催の「みやぎ県南浜街道“縁結び“商談会」や仙台商工会議所「伊達な商談会」等を通じた百貨店等バイヤーの確保に努めるとともに、事前のヒアリングなどを通じて需要側のニーズを的確に把握する。また、商社や百貨店などバイヤー以外の一般消費者への拡大を図るため、年間観光客入込数340万人(宮城県平成22年調べ)、1日平均乗車人員85,000人(2014JR東日本調べ)あるJR仙
    台駅構内での販促等も新たに行うこととし、JR東日本東北総合サービス(株)と連携したアンテナショップの設置や出店を図る。
  3. 宮城県仙台地方振興事務所主催の「みやぎ県南浜街道”縁結び”商談会」や仙台商工会議所「伊達な商談会」等関係機関等が開催する商談会への参加勧奨を図るとともに、商談技術や商品アピール手法の向上、FCPシート作成などを目的とした事前相談会を宮城県よろず支援拠点等の専門家と連携し、バイヤー等が求めているニーズを踏まえた商談手法等の習得を支援する。
  4. 全国商工会連合会のECサイト「ニツポンセレクト.Com」、地元新聞社による 「47CLUB(よんななクラブ)」への出品など、ITを活用した販路開拓を支援し販売促進と商品の認知度向上を図る。

目 標

項目 27年度
目標
27年度
実績
28年度 29年度 30年度 31年度
販売会・商談会開催回数 2 3 2 2 2 2
商談会による新規
取引成約件数
3 1 5 5 6 7
フォローアップ個別相談会回数 2 5 3 3 3 3
フォローアップ
個別相談事業所数
3 6 5 5 5 5
宮城県商工会連合会アンテナショップ等出品数 3 4 3 3 3 3
取引拡大による売上増加事業所数 3 3 5 5 6 7

Ⅱ.地域経済の活性化に資する取組

名取市、名取市観光物産協会、漁協・農協等の地域関係団体等との「情報連絡会議」を年1回開催し、地域の現状と課題を踏まえた地域経済活性化の方向性を共有し、名取三大祭り等を柱とした観光交流事業、地域資源を活用した地域産品のPR事業、販路開拓事業等の効果的推進を図る。
また、名取三大祭りに加え、新たなにぎわい創出と復興を目指している小売業、水産加工業等製造業者の販路拡大を目的に、既存商店街「増田商店街」と仮設商店街「閖上さいかい市場」との連携、仮設工場「名取市復興工業団地」と連携した新たなイベントを開催し、地域コミュニティの形成と地域産品の販売促進を図る。
更に、「ゆりあげ港朝市」や「熊野三社」、日本一の閖上赤貝等の観光資源をルート化した観光ツアーを実施し、交流人口の増加による地域経済の活性化を図る。

事業内容

  1. 名取市、名取市観光物産協会、ゆりあげ港朝市協同組合、宮城県漁業共同組合仙南(閖上)支所、既存商店街、仮設商店街等との「情報連絡会議」を年1回開催し、地域の現状と課題、各組織が保有する強み、各団体の取組み等について確認するとともに、本地域における経済活性化の方向性を検討・共有する。更に、共有した地域活性化の方向性を反映させるため、実施する事業の推進にあたっては、関係する各種機関・団体等で構成する実行委員会を組織し、その目的に応じた事業効果やこれまでの事業成果を検証しながら、地域経済の活性化により効果のある計画を策定し事業を展開する。
  2. 春・夏・秋に開催される名取三大祭りに加え、新たなにぎわい創出を図るため、、既存商店街「増田商店街」と仮設商店街「閖上さいかい市場」と連携し、地域コミュニティの形成と小売事業者の販売促進を目的とした新たなイベントを創出し商店街の活性化を図る。また、仮設工場「名取市復興工業団地」と連携し、生産者と一般消費者との交流を通して、仮設工場で生産されている地元農水産加工品等のPRと消費拡大を目的としたイベント「工場生産まつり」を開催するなど、本格再建を目指している仮設店舗・工場に入居する小売業者や水産加工業等製造業者の販路拡大を支援する。
  3. 名取市には、全国で唯一熊野三山からそれぞれ分霊された「名取熊野三社」や東北最大の前方後円墳「雷神山古墳」等の歴史文化資源、日本一と称される「閖上赤貝」、東北一の生産量を誇る「カーネーション」等の全国一や東北一といった豊富な観光資源が存在しているものの、市外からの誘客が図れる施設は毎週日曜・祝日に開催される「ゆりあげ港朝市」のみである。そうした状況から、新たな交流人口の増大を図る目的に、JR名取駅、仙台空港、そして観光施設や生産者等と連携により、豊富な観光施設をルート化し、面としての名取の魅力を創出させる「名取観光ガイドツアー」を企画・実施する。更に、広域連携体制にある岩沼市商工会と連携し、「竹駒神社」等の岩沼市の観光資源を含めた広域的ルートも創出しながら、魅力ある観光商品へと発展させ、観光振興による地域経済の活性化を図る。

目 標

項目 27年度
目標
27年度
実績
28年度 29年度 30年度 31年度
情報連絡会議回数 1 1 1 1 1 1
イベント各々の実行委員会開催数 6 5 6 6 6 6
名取3大祭り開催回数 3 3 3 3 3 3
商店街と連携したイベント開催数 2 4 2 2 2 2
仮設工場と連携したイベント開催数 1 1 1 1 1 1
イベント来場者数 25,000 41,000 25,500 26,000 26,500 27,000
観光ガイドツアー 1 0 1 1 1 1
観光客入込数(平成25年宮城県観光統計概要による) 前年比
0.5%増
80.1万人 前年比
0.5%増
前年比
0.5%増
前年比
0.5%増
前年比
0.5%増

Ⅲ.経営発達支援事業の円滑な実施に向けた支援力向上のための取組

1.他の支援機関との連携を通じた支援ノウハウ等の情報交換に関すること

  1. 本会及び名取市、市内金融機関とで実施している「金融懇談会」を活用して、地域の景気動向をはじめ、金融支援の現状やノウハウ、経営改善の進め方、販路開拓の取組み等の双方が行っている支援手法について、事例を踏まえて情報交換を行う。更に、日本政策金融公庫、宮城県信用保証協会との連絡会議等に参加し、地域企業の設備投資動向、業種別動向など地域金融状況について情報交換を行い、小規模事業者の需要を見据えた経営戦略策定支援の基礎資料として活用する。
  2. 認定支援機関により構成される「みやぎ地域産業支援プラットホーム」へ参加し、県内の金融機関、中小企業診断士、商工会議所、商工会との交流を通じて、小規模事業者に対する経営革新やものづくり、販路拡大等の支援ノウハウを共有し、取得したノウハウは本会経営指導員間で共有を図り、地域小規模事業者への課題解決支援に活用する。
  3. 宮城県商工会連合会主催の「経営力向上支援事例発表会」を通して、各商工会経営指導員によるチーム支援で経営力向上に導いた支援事例について共有し、課題解決策の選択肢の広がりによる経営指導員の支援能力の向上を図る。
  4. 「宮城県よろず支援拠点」コーディネーターによる個社支援の終了後、随時、経営指導員全員との「経営支援検討会」を開催し、その事業所に対する問題解決策の提案内容と今後の支援方法等について共有・検討し、提案型支援能力の向上に努める。

平成27年度実績
1.経営支援検討会(専門家と指導員による) 1回開催
宮城県よろず支援拠点コーディネーターと本会経営指導員による経営支援検討会を開催し、地域経済動向、事業計画策定のポイント、フォローアップのポイント等の情報交換含んだ検討会を開催。
2.金融懇談会 1回開催
名取市内すべての金融機関及び行政、商工会による懇談会を開催し、設備投資の動向含んだ地域経済動向について懇談会を開催。
3.日本政策金融公庫との懇談会(公庫職員と指導員による) 1回開催日本政策金融公庫仙台支店職員と本会経営指導員による懇談会を開催し、小規模事業者経営発達支援融資事業含んだ懇談会を開催。

2.経営指導員等の資質向上等に関すること

宮城県商工会連合会が主催する経営改善、経営計画策定習得研修会の参加に加え、中小企業大学校が主催する、新たな需要開拓、利益確保の経営支援研修等へ経営指導員が年間1回以上参加することで、売上げや利益を確保することを重視した支援能力の向上を図る。
若手経営指導員については、各種補助金相談、事業計画策定内容、事業所の問題、
課題、解決策を指導員全体で共有する為、1ヶ月に一度、経営指導員によるOJTを実施することで、経営指導・助言内容、情報収集手法を学ぶなど、より伴走型の支援能力の向上を図る。更に、2ヶ月に一度、職員全体会議を開催し情報の共有及び資質向上に繋げる。
また、エキスパートバンク事業や宮城県よろず支援拠点、中小企業支援ポータルサイト「ミラサポ」等の専門家派遣に帯同することによって、専門的知識の習得を図る。

平成27年度実績
①職員全体会議の開催 10回開催
事務分掌、経営発達支援計画による事業内容等において、職員間の情報の共有化を図る。
②経営指導員3名による定期的な会議12回開催
事務分掌、経営発達支援計画による事業内容等において、経営指導員間の情報の共有化を図る。

③宮城県商工会連合会の専門家派遣(エキスパート)、サポーティングリーダー・宮城県
よろず支援拠点専門家・中小企業支援ポータルサイト「ミラサポ」等の専門家派遣に帯同することによって、専門的知識の習得を図る。 計38回

3.事業の評価及び見直しをするための仕組みに関すること

毎年度終了後、本計画に記載の事業の実施状況及び成果について、以下の方法により評価・検証を行う。
①名取市、地域関係機関等の外部有識者を含めた構成メンバーにより、新たに『事業評価検討委員会』を設け、前年度の事業の実施状況や成果の評価を踏まえ、見直し案の提示を行う。
②評価・見直しの結果については、本会理事会へ報告し、承認を受ける。
③評価・見直しの結果を本会(名取市商工会)のホームページ
(http://natori.in-shoko.com/index.html)で計画期間中公表する。

平成27年度実績
①平成28年4月6日(水)午後1時30分より、平成27年4月1日から平成28年3 月31日までの期間における名取市商工会の経営発達支援計画に基づく事業について の評価、検討等について、事業評価検討委員会を開催する。

名取市商工会 経営発達支援計画 事業評価検討委員会名簿

役職 氏名 所属団体名等
委員長 小島哲夫 名取市商工会 会長  経営発達支援計画事業実施者側
委員 佐藤智明 名取市商工会 副会長  経営発達支援計画事業実施者側
委員 洞口祐一 名取市商工会 副会長  経営発達支援計画事業実施者側
委員 田中宏司 宮城県よろず支援拠点 コーディネーター  外部有識者
委員 南條晃一 株式会社 SRDアソシエイツ  外部有識者
委員 大久保啓二 名取市商工観光課長  行政
委員 相原いづみ 一般社団法人名取市観光物産協会 事務局長 地域関係機関

②同委員会の開催結果について(上記委員7名中、6名出席)

主な意見

  • 経営状況アンケートについて、対象者とテーマを精査し、より精度の高いアンケート調査が望ましい。
  • 巡回訪問について、事業所毎に経営状況、課題は様々であり、事業所毎に支援テーマを絞り、事業所毎にあった支援テーマを絞り巡回訪問を実施し、経営課題の抽出、課 題解決へ向けた支援策の提案フォローアップ支援を積極的に実施し、小規模事業者に寄り添った支援を目指す。を行い、小規模事業者の持続的発展に繋がる巡回訪問を 目指す。
  • フォローアップ支援を積極的に実施し、小規模事業者に寄り添った支援を目指す。
  • 新規需要開拓へ向け、販売会、商談会実施の中で、事業所毎の強みを再認識するためにもFCPシート作成支援を実施する。
  • 地域経済の活性化に資するため、関係機関による情報連絡会議は年1回ではなく、それぞれの団体(市、商工会、観光物産協会)で事業内容を持ち寄り、情報共有化を強 化する必要がある。

評価・次年度以降の事業計画への反映(経営発達支援計画の変更等)

  • 経営発達支援計画の内容、目標で一部達成しない事業もあるが、事業内容について、概ね進められた。
  • 次年度へ向けては、事業内容をより深化した事業内容を目指し、経営発達支援計画の見直しはしない。

(2)中小企業景況調査

宮城県商工会連合会で実施している契機動向調査の結果

①名取市商工会で実施分

調査対象 名取市商工会会員【個人事業所対象】15事業所
調査方法 聞き取り
調査時期 3ヶ月に1回【6月・9月・12月】
質問内容 (1)売上の推移
(2)経常利益予測
(3)景況感
(4)設備投資の予定
(5)直面している経営上の問題点

②全国約300商工会で実施分

小企業景気動向調査

調査対象 全国約300商工会の経営指導員
調査方法 対象商工会経営指導員による調査票への選択記入式
調査時期 各月末
質問内容 (1)売上の推移
(2)採算
(3)資金繰り
(4)業界の業況

keiei2016-2

<産 業 全 体> ◇…小売業が悪化に転じ、足踏み状態の小規模企業景況…◇
4月期の小規模企業景気動向調査では、産業全体の業況DI(景気動向指数・前年同月比)はわずかに悪化となった。項目別に見ると、売上額DIは不変、採算及び資金繰りDIはわずかに改善となった。経営指導員からは、大きな変化がないが、一部に回復傾向がみられるとの報告がある一方、消費が低調のため企業の資金繰りも厳しい状況にあるとの報告があり、また、熊本地方の地震により観光業を中心に影響が出ており、経営悪化に陥る企業が増えているとの報告があった。

<製 造 業> ◇…若干の動きがあるものの全体では横ばいとなった製造業…◇
製造業の業況DIは、わずかながら改善となった。項目別に見ると、売上額DIはわずかに悪化、採算及び資金繰りDIは小幅悪化となった。経営指導員から、好転材料として、①食料品関連では、出荷額が増加傾向にあること、②機械・金属製造関連で若干の動きがあったとの報告があった。また、悪化材料として、①水産加工の製造業で仕入値が高騰し採算が悪化している、②機械関連で熊本地震の影響により受注が減少しているとの報告があった。

<建 設 業> ◇…落ち込んでいた受注が回復し、小幅に改善した建設業…◇
建設業の業況DIは、若干の改善となった。項目別に見ると、売上額及び採算DIは小幅改善、採算及び資金繰りDIは大幅改善となり、全ての項目で改善がみられた。経営指導員から、好転材料として、①消費税増税を見据えた駆け込み需要や震災関係による動きがあった、②設備関連で官公受注が増加したとの報告があった。また、悪化材料として、①公共工事並びに、個人住宅工事が減少している、②材料費の単価上昇により採算が悪化している、③慢性的な人手不足が継続しているとの報告があった。

<小 売 業> ◇…食料品の仕入価格の上昇や衣料品の動きが鈍く、大幅悪化となった小売業…◇
小売業の業況DIは、大幅悪化となった。項目別に見ると、売上額及び採算DIは小幅悪化、資金繰りDIはわずかに悪化となった。経営指導員から、悪化材料として、①食料品関連の小売業では、仕入単価の上昇により、売上が減少している②衣料品関連の小売業は入学シーズンの動きが鈍く、天候不順で売れ行きが悪いとの報告があった。好転材料として、①土産物関連の小売業では観光シーズンで動きがあった、②年度替わりで、衣料品や日用品で若干の動きがあるとの報告があった。

<サービス業> ◇…熊本地震により観光関連で影響がでているものの、全体としては若干改善したサービス業…◇
サービス業の業況DIは、若干の改善となった。項目別に見ると、売上額DIは変化なし、採算及び資金繰りDIは若干の改善となった。経営指導員から、好転材料として、宿泊関連のサービス業は観光シーズンを迎え動きがでている。また、悪化材料としては、①自動車関連のサービス業で暖冬の影響により修理や除雪の受注が減少している、②九州地方の交通機関が寸断され、観光客が激減しているなどの報告があった。

<宮城県内状況>
(産業全般)
消費者の動向としては買い控え傾向が続き、消費が低調で企業の資金繰りも厳しい状況にある、マイナス金利導入による企業融資の需要を感じるほどではない。

(製造業)
機械・金属製造関連の受注が若干動き出した。
理容関連サービス業は客単価の変動はないが、来店客数の減少により採算が悪化している。

(建設業)
前年同期と比較すると受注は減少傾向である。
震災関連の建設業は工事契約数は増加しているが、材料費等の増加もあり、採算としては昨年度と同程度の推移となっている。

(小売業)
食品小売り業関連は売上及び客数ともに減少傾向であり、採算も悪化している。

(サービス業)
理容関連サービス業は客単価の変動はないが、来店客数の減少により採算が悪化している。

分析内容

  • 小売業は、維持、一部下降線である
  • サービス業は、若干上昇線である
  • 製造業は、上昇、下降を繰り返している
  • 建設業は、一部で上昇線である
  • 設備投資の機運は高くなっている
  • 消費者ニースの変化、原材料上昇が小規模事業者の経営上の課題と思われる

(3)経営状況アンケート調査

経営状況に関するアンケート報告書(PDF)1,210KB

(4)消費者アンケート調査

プレミアム商品券発行事業に付随して、消費者アンケート調査を実施

発行総額3億12百万円のうち、取扱店で使用後、換金請求された商品券は3億1109万4500円で利用率にして99.71%となっており、非常に高い利用率となっております。店舗規模別の使用状況では、全体的における商品券の利用初月の利用率が33.5%、その内一般小売店等と大型店の利用割合が同程度となり、利用2月目以降では、一般小売店等の利用状況が徐々に高くなっており、月を追うごとに利用動向は大きくなり最終的には一般小売店57.4%、大型店42.6%の利用割合となっております。今回利用規模別商品券として一般小売店専用商品券を設けた効果が大きくうかがわれ、一般小売店商品券と大型店商品券を半々発行しているものの一般小売店利用割合が高く、各一般小売店への消費活動の促進を図れ、大きな効果が出たものと考えらます。

また、商品券換金時期による使用状況は、利用初月が大きな動きをみせるものの、その後一度落ち着きを取り戻し、最終月に駆け込みにより利用状況が上がってきております。
各店舗での商品券使用割合では、発行商品券に占める個店の商品券使用割合5%未満が大多数を占め、一部に商品券利用が偏ることがなく分散し商品券は万遍なく多くの取扱店で使用されております。

大分類業種別では、小売業94%、飲食業等のサービス業が4%、タクシー等運送業約1%、その他約1%となっております。また、その内小売業についてはスーパー等各種商品小売業が49%、薬局・燃料・ホームセンター等のその他小売業が26%、青果・鮮魚等の飲食料品小売業が11%、被服等の織物・衣類・身の回り品小売業が10%、生活家電・自転車等の機械器具小売業が4%となり、食料品を扱う店舗での使用割合が高い傾向があります。被服費、家電製品、自転車などの耐久消費財を取り扱う店舗での使用割合が高いところもあり、売上増加等において一定の効果があったこともうかがえます。

取扱事業所の参加率については、売場面積1,000㎡未満の一般小売店が197事業所、売場面積 1,000㎡以上の大型店169事業所(テナント含む)となっており、平成27年2月1日現在の商工業者数1,985事業所に対し参加率が18.4%、小規模事業者数1620事業所に対し、取扱事業所が12.2%の参加率となっており、工業等業種を除くと一定規模以上の参加率となりました。今回の取扱事業所の要件として名取市内で事業を営んでおり、地域に貢献する本会会員事業所で、本事業の趣旨に賛同する全ての事業所としたことで、商工会員数が37事業所増加し、年度当初と比べ商工会組織率が1.91%上昇し54.41%となり商工会の年度目標である2%増加に大きく貢献したところであります。

 また、商品券使用期間終了後、取扱事業所全366店舗に対し郵送による事業所アンケート調査を実施した結果、163事業所(回答率44.5%)より回答を頂き、更には事前に取扱事業所に配布しておりました消費者アンケートにおいても、570件の消費者アンケートをご提出頂きました。

  商品券取扱事業所への聞き取りによる意見としては、「新規の顧客獲得」「顧客とのコミュニケーション強化」「リピーターの醸成」「売上増加」「効果が有ったので再度企画して欲しい」「需要喚起になった。大型店より小型店へ重きを置いた策で継続を希望する。自社特典なども検討し使用頻度及び売上に繋がる策を打ち出したい。」との効果の意見が挙げられており、経営意欲や顧客取り込みなど一定の成果が上がったのではないかと考えます。また、一部取扱事業所より「商品券の単位を1,000円にしてほしい」とのご意見を頂きましたが、今後の課題としていきたいと考えております。